はてしない物語
「どうしてこんなに暗いんですか、月の子(モンデンキント)?」
「始めというものは、いつも暗いのです、バスチアン。」
「ぼく、あなたをもう一度見たいな、モンデンキント。
あなたがぼくを見つめた、あのときのこと、覚えていますか?」
するとまたあのかすかな、うたうような声で笑うのが聞こえた。
「どうして笑うんですか?」
「うれしいから。」
「何がうれしいの?」
「あなたが今、最初の望みをいってくれたから。」
ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」。
このお話は映画になっているから、観て知っている方も、多いはず。
映画はこのシーンのちょっと後で、終わっていますが、
本は、ちょうどここで、真ん中あたり。
このシーンから、バスチアンの冒険が始まります。
滅びてしまったファンタージェンの最後の砂のひとつぶを、
バスチアンの手のひらの上にのせると、
そこからバスチアンの想像の世界が芽吹いて、
静かに、光の植物となって、はてしなく生い茂っていきます。
そして、新しい光輝く世界が生まれるのです。
もうこのお話は、本当に、ファンタジーの金字塔ですね。
ファンタジーを読む楽しさ、その中に入って想像していく楽しさ、
それを心から楽しませてくれる本だと思います。
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